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2009年09月25日

Q18 なぜ無効なのに危険の告知書や免責同意書にサイン?

Q18 無効なのになぜ危険の告知書や免責同意書にサインを求めるの?
 前回、危険の告知書や免責同意書の賠償責任を問わないという文言は無効だという話がありましたが、無効なのになぜダイビングの指導団体は危険の告知書や免責同意書にサインを要求するのでしょうか?
A18
 まず、裁判例が述べているのは、身体や生命に侵害が生じた場合にまで責任を免除することを内容とする合意は公序良俗に反し無効としていますので、身体や生命に侵害が生じなかった事故(器材に損害が発生したにすぎない事故等)の場合は、合意を限定解釈して有効と解する余地があるからじゃないでしょうか。それなら、法的には、危険の告知書や免責同意書に「身体や生命に侵害が生じなかった場合には」という限定文言を初めからいれておいたほうが良いと思いますが、事実上の抑制力(泣き寝入り)を狙って限定文言をあえていれていないということが考えられますね。
 そのほかに、過失相殺において、危険を告知し了承した(サインした)のだから損害を減額すべきであるという自己責任論に使えるということも考えられますが、危険の告知書・免責同意書にサインをしたから自己責任であり、過失相殺されるなどと論じている判例はあまり見たことがありませんね。



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Posted by 沖縄の弁護士 at 18:00 │ダイビングの法律問題